プーケット・ベジタリアン・フェスティバルとは?
プーケットベジタリアンフェスティバル(別名:九皇大帝祭)は、毎年陰暦の9月に開催される島内で最も盛大な祭りのひとつ。祭りの期間、島内の中国寺院には熱心な信者たちが集結し、さらにマニアックなカメラマンたちが加わってかなりの賑わいとなる。今やベジタリアンフェスティバルは世界的に知られるイベントとなった。バンコクでも行われるものの小規模なので、ベジタリアンフェスティバルといえばやはりプーケットである。
祭りの期間中、プーケットタウンにある中国寺院の周りでは、道路の両側に菜食屋台がぎっしり並び、ありとあらゆる種類の菜食フードを販売する(でも味はほとんど同じ)。とにかく何でもベジタリアン食材で作られているのだが、寿司まで売っているのには驚いた!すべてコメと豆腐で作られているとのことだった。そして、こうした菜食屋台では麺、揚げ物、大豆ミートがメインとなるため「本物の野菜を見つけるのは難しい」などと皮肉られたりする。祭りが始まると、プーケットタウンのほとんどのレストランが1週間ほど閉店してしまうから、僕たちみたいに揚げ物や大豆製品はちょっと苦手…という人は、郊外のレストランへ行くか、ひもじい思いをするか、どちらかしかない。
ベジタリアンフェスティバルが始まる数週間前から、中国寺院の周囲では中国語が書かれた黄色いのぼり旗が道路脇や交差点にたてられる。そして、徐々に舞台や神聖なる行進のための飾りが施され、数百もの菜食屋台が開店準備を始める。通常スポンサーがこの祭りを全面的に支援している。
メインイベント
白や黄色の服を着た信者たちが各中国寺院に集合するところから、いよいよベジタリアンフェスティバルがスタートする。開会式ではまず、神々をお迎えするため天に向かって巨大な竹製のポールが用意される。熱心な信者たちはきらびやかに着飾った衣装を身につけ準備万端だ。これから1週間、街中ではいたるところで爆竹が鳴り響き、頬や体に鉄串を通した信者たちが大通りを練り歩き、どこもかしこも菜食料理ばかりとなる。
プーケットのベジタリアンフェスティバルでは、期間中毎日、メインとなる中国寺院から神聖なる行進がスタートする。各寺院には、ご先祖様に敬意を払うため数千人もの人々が集まる。
ベジタリアンフェスティバルでは、信者は10の戒律を守らなければいけない。身につけるものは白のみ、肉を食べない、アルコールを飲まない、性的な行動をしない、生理中の女性は祭りに参加せず祭りを見に行くのもだめ、など。
1800年ごろから始まったプーケットベジタリアンフェスティバルだが、他の東南アジア諸国でみられる華僑の祭りとは少々おもむきが異なる。プーケットでは信者が10の戒律を守って心身を清めることで、そして、熱心な信者たちが身体に鉄串を突き刺し街中を練り歩くという過酷な“苦行”に耐えることで、厄難を自らに移し、地域に幸運を呼び戻すとされている。
一生に一度見ればいい光景だと思うが、この不思議な祭りに魅了され、過激で不気味な写真を撮り仲間とシェアしたいと熱望するカメラマンたちは多い。祭りではまず、熱心な信者たちが早朝から寺院に集まりトランス状態に入る。次に、ガスのノズルや軍艦の模型、車両部品など、できるだけ奇天烈なものを選んで頬に突き刺す。刺すものは何でもいいが、不気味であればあるほど良しとされている。刺し終わったらいよいよ神聖なる行進のスタートだ。ご一行はトランス状態のまま寺院から寺院へ移動し街中を練り歩く。道中では地元の中華系タイ人たちがご一行にお供物を差し出して、祝福を受ける。
お勧めのホテル
プーケットベジタリアンフェスティバルを見るのが目的なら、ぜひともプーケットタウンの老舗ホテルをお勧めしたい。伝統あるホテルであれば、館内でも祭りの雰囲気を堪能できたりする。中でもザ・メモリー・アット・オンオンホテルは老舗中の老舗。ほかにも周囲にはレトロな中国ポルトガル様式のゲストハウスが数軒ある。いずれもオールドストリートの中心部にあって料金はリーズナブルだ。ただ、どこも近年リノベーションが行われてはいるものの、部屋自体は小さくてシンプルな造りとなっている。もちろんプーケットタウン以外に泊まっても大丈夫。プーケットは小さな島なので、どこに投宿してもオールドストリートまでそう遠くはない。
プーケットベジタリアンフェスティバル画像集
既に見たことがあったり自身で撮影した人もいると思うが、あえてこの奇祭ならではの「串刺し写真」を載せてみた。串刺し写真は、祭りの行進についていけば誰でも簡単に撮れる。僕たちは、かなりグロテスクな「舌で大きな刃物をなぞっている画像」だって出し惜しみはしない。難易度が高いのは爆竹が鳴り響く中での撮影だ。むせかえるほどの火薬の煙と耳をつんざく爆音の中で撮影を続けるのは、なかなかきつい。
「火渡りの儀式」の撮影も、早くから場所取りをしなければならないことを含めて何かと能力が試される。まず、最前列のベストポジションは、焼かれた炭に近いためあぶられるように熱い。スタンバイの時点で汗だく覚悟だ。そして、火渡りシーンの撮影自体も難しい。火渡りは焼けた炭の上をぴょんぴょん飛び跳ねながら歩くため、それだけでもシャッターチャンスが難しいのだが、さらに照明が少ないため難易度が上がる。慎重にフラッシュとシャッタースピードを調整してのぞまなければならない(フラッシュの多用は雰囲気が台無しになるから要注意)。
Program and Processions Itineraries 2023
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